- 面倒な作業をやりたくない
- 仕事が速くて正確なCADオペレーターになりたい
- AutoLISPを書籍で学びたい
AutoCADをもっと効率化したいけど手動でできることに限界を感じていないでしょうか。
そんな方にはAutoCAD専用のプログラミング言語「AutoLISP」で自動化することをおすすめします。
AutoLISPについてもっと知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
>>AutoCADユーザーがAutoLISPを覚えるべきメリット3選
私はAutoLISPを独学し、5年以上業務で活用しています。この経験を踏まえて、当記事ではAutoLISPをゼロから学ぶ方にイチオシな書籍 「AutoCAD自動化読本」 をご紹介します。
初心者向けの書籍なのでプログラミング未経験でもAutoCADの自動化が可能です。AutoLISPを覚えてワンランク上のCADオペレーターを目指しましょう!
「AutoCAD自動化読本」のメリット5選

「AutoCAD自動化攻略読本」のメリットは次の5つです。
- 導入~実行まで一通り解説されている
- 入手しやすい日本語の書籍
- コマンドとシステム変数が豊富に掲載されている
- シンプルなデザインで読みやすい
- AutoLISP以外の自動化も学べる
導入~実行まで一通り解説されている
「AutoCAD自動化攻略読本」 はAutoLISPプログラムの作成方法から実行まで一通り解説されています。
「特別な知識がなくても今すぐ取りかかれる」がテーマの1つなので、入手した当日からAutoLISPを使うことが可能です。
AutoLISP初心者にとって必要な内容が詰め込まれており、特にエディタの使い方は細かく解説されています。
エディタとはプログラムを書くために必要不可欠なツールです。実際の画面をふんだんに使って丁寧に説明されています。
まったくの初心者でもすぐにAutoLISPが使える書籍です。
入手しやすい日本語の書籍
AutoLISPについて日本語で書かれている貴重な書籍です。
AutoLISP関連の書籍を検索すると英語で書かれているものが多く、日本語の書籍はほとんどありません。日本語の書籍でも中古品しか取り扱っておらず在庫数も少ないため入手が困難。
「AutoCAD自動化攻略読本」は2019年に初版が発行されました。比較的新しく、大手ショッピングサイトなどで購入できます。入手しやすい点は大きなメリットです。
コマンドとシステム変数が豊富に掲載されている
それぞれ900個以上のコマンドとシステム変数が一覧になっています。
システム変数とは
システム変数とはAutoCADのさまざまな設定のパラメータが格納されている変数です。オプションを経由せずに設定変更などができます。
システム変数の使い方について知りたい方はこちらをご覧ください。
>>AutoCADの環境設定をお手軽にカスタマイズ!便利なシステム変数4選
たとえば、次のようなコマンドとシステム変数が掲載されています。ちなみにAutoCAD 2020が対象です。
コマンド名 | 日本語名 / ツールチップ |
JPGOUT | JPEG書き出し |
PASTESPEC | 形式を選択して貼り付け |
AI_OPEN_YOUTUBE_WITH_PRODUCT | Youtubeを開く |
システム変数名 | 日本語名 / 解説 |
CLAYER | 現在の画層を設定 |
DBMOD | 図面の変更状況 |
TDUSRTIMER | 開いてからの経過時間 |
AutoLISPを使用しない方でもコマンドを活用する場面は多いはず。使い方次第でAutoCADの効率アップにつながります。
シンプルなデザインで読みやすい
「AutoCAD自動化攻略読本」は シンプルなデザインで読みやすいです。
無駄な装飾がなく、見やすいフォントが使われています。
表紙は黄色ですが、書籍の中で使用されている色は白、灰色、オレンジに近い赤の3色のみです。フォントは丸みを帯びており、親しみや安心感があります。
サイズはA4、厚さは約2㎝です。紙質がやわらかいのでページをめくっているだけでも心地よさを感じます。
「プログラミング=難しい」という抵抗感を感じにくい書籍です。
AutoLISP以外の自動化も学べる
AutoLISP以外のプログラミング言語による自動化も学べます。AutoCADを自動化する方法はAutoLISPだけではありません。
解説されている他のプログラミング言語は次の2つです。
- VBA
- マイクロソフト社が提供するOffice製品で使えるプログラミング言語。AutoCADとExcelなどを連携できます。使用するためには追加でモジュールのインストールが必要です。
- DIESEL式
- 文字列で処理されるプログラミング言語。AutoLISPやVBAが使用できないAutoCAD LTユーザーにとっては最高の自動化ツールです。
自分の使用環境と目的に合った自動化を選んでください。
特にこだわりが無ければAutoLISPでの自動化をおすすめします。AutoLISPであればAutoCAD単体で開発環境が整い、比較的簡単にプログラムを作成できるからです。
「AutoCAD自動化読本」は中級者以上にとって物足りない

「AutoCAD自動化攻略読本」は初心者を脱した中級者以上にとって物足りない書籍です。理由は2つあります。
- AutoLISP特化の書籍ではない
- DCLの解説がない
AutoLISP特化の書籍ではない
AutoLISPの解説に特化した書籍ではありません。
自動化ツールをの1つとしてAutoLISPが紹介されています。解説されている関数も必要最小限で、AutoLISPに関連するページ数は全体の約3割です。
2D図形のみを対象としており、3D図形については解説されていません。複雑で高度な内容を求めている方には物足りなさを感じます。
DCLの解説がない
DCLについての解説はありません。
DCLとは
DCL(Dialog Control Language)とは名前のとおりダイアログボックスを制御するプログラミング言語です。AutoLISPと組み合わせることで、よりユーザーが使いやすいツールが作成できます。
たとえば、DCLでは次のようなオリジナルのダイアログボックスを表示させることが可能です。

ちなみに上記のダイアログボックスはリスト内の文字列を選択して「button」を押すと、選択した文字列が右側に表示される動作をします。
DCLの解説を期待されていた方にとってはイマイチかもしれません。
DCLについてもっと知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
>>ダイアログボックスを表示しよう!AutoCADのDCLを解説【AutoLISP】
AutoLISP初心者には最適の一冊
中級者以上にとっては物足りないですが、ゼロからAutoLISP学習を始める初心者にとっては充分な内容とボリュームです。
網羅性が高いのでAutoLISPに関する幅広い知識が習得できます。中級者以上であっても基礎の復習として役立つシーンは多いでしょう。
AutoLISP開発の土台が出来上がる最適な一冊です。
「AutoCAD自動化攻略読本」のおすすめ活用法

「AutoCAD自動化攻略読本」 は次のように活用すると効率的にAutoLISPを学習できます。
- 書かれていることを順番に試す
- プログラム例を書き換える
①書かれていることを順番に試す
まずは書かれている内容を一から順番にそのまま試してください。
理由は最低限必要な知識が一通り習得できるからです。エディタの使い方やプログラムの書き方、実行方法などAutoLISP開発に必須な内容が掲載されています。
分からない内容があっても問題ありません。とにかく慣れることを優先して先に進んでください。
②プログラム例を書き換える
一通り試し終えたらプログラム例の一部を書き換えてください。応用力が身に付くため実務レベルのプログラムが作れるようになります。
たとえば、次のようなことを試してください。
- 変数の数値や文字列を変えて実行する
- わざとエラーを発生させてみる
- 別の関数で同じ処理を表現する
上記の内容を繰り返していると、関数の動作や「できること」「できないこと」が理解できます。AutoLISPのレベルアップには試行錯誤が必要です。
AutoLISPで自動化して楽になろう!

「AutoCAD自動化攻略読本」のメリットは次の5つです。
- 導入~実行まで一通りの内容が身に付く
- AutoLISPについて日本語で書かれている貴重な書籍
- コマンドとシステム変数が豊富に掲載されている
- シンプルで読みやすいためプログラミングの抵抗感が少ない
- AutoLISP以外の自動化も学べる